つみきソファ開発秘話 – ずっと未完成なソファ
不動の人気No.1ソファで、これまでたくさんのお家に迎え入れられてきました。
そんなつみきソファはどうやって生まれたのか?デザイナー・岸宗がつみきソファを思いつく前まで遡って、製作秘話をひもときます。
商品企画初期のコンセプト
とにかくシンプルなソファを!
広い座面があって、上に背もたれが乗っているだけ。仕組みもデザインも究極のシンプルソファを目指して、商品開発が始動しました。
「シンプル」に続き「コンパクト」「リーズナブル」も掲げていましたが、開発が進むにつれて方向性も大きく変化していきます。
空飛ぶじゅうたんみたいだった?
ごろ寝でくつろぐことを想定していたので、座面ひろびろ。背もたれから座面へかけての角度に。
今あるつみきソファより幾分平べったく、空飛ぶじゅうたんみたいなデザインでした。その後誕生する「フロフロ」に近いかも?
素材・設計は、子供の頃の記憶から。
「スキップソファ(現モデルはスキップ1ミニソファ)」で幼少期を過ごしていたデザイナー。
ソファを立てたり重ねたり、裏返して背もたれと座面の間にできる隙間を「秘密基地」と呼んで、そのままそこで寝てしまったり。
そんな風に自由に遊べたのは、スキップソファが木枠を使わないウレタンのみの構造だったから。
つみきソファがウレタンだけで出来ているのは、デザイナーの幼少期の体験から来ています。
試作、失敗、試作…
思ってたんと違う…
デザイン・設計が固まったところで、いよいよ試作開始!
しかし、ウレタンのみでソファを作ること&座面のキルティング縫製が私たちの想像以上に難しく、製作依頼から数ヶ月の時を経てようやく試作品が届きました。
ごろ寝は確かにしやすかったものの、理想の座り心地&寝心地にはまだ遠い…。
ウレタンの硬度が問題か?背もたれの角度が低すぎるのか?
でも、もっと良くなるはず!
商品開発は茨の道。最初から上手くいかないのは世の常。真理。そういうもん。
当初掲げていたコンセプト「コンパクト」「リーズナブル」を思い切って一度捨て、「シンプル」は残しつつ、「コストや納期がかかっても、お客様に信頼してもらえるぐらい品質の高いソファ」に方向転換しました。
試行錯誤を経て、いよいよ完成!
君は今日からつみきソファだ!
そこで岸宗は自身が幼少期からともに過ごしていたスキップ1ミニソファの製造元である老舗ソファメーカー「マルイチセーリング」に試作を依頼。
当時の副社長(現・相談役)に試作品を製作していただき、ようやくデザインも座り心地も「これだ!」と思える物に仕上がりました。
この完成品を見て、初めてこの開発中のソファに名前が与えられます。
はじめまして、つみきソファ!
販売してからが ”積み木” のはじまり
座面と背もたれだけというシンプルなデザインは、「まだ足せる!」「もっともっと!」とみんなのカスタマイズ欲を掻き立てたのかも?
晴れてデビューした後も、スタッフの意見交換やお客様の要望からたくさんのオプショングッズが開発されていきました。
部屋の真ん中に設置したい!
サポートフレームの誕生
元々壁付けでの設置を想定していたため、座面の上に背もたれが乗っているだけ。壁が無ければ、もたれた際に後ろにごろんっと転がってしまいます。
デザイナーの予想を超えて人気者になってくれたつみきソファ。お客様からの「部屋の真ん中に設置したい」との声をたくさん受けて、ソファの背面を支えてくれるつみきソファ専用サポートフレームが開発されます。
(2023.11 追記)
もっと後ろ姿を良くしたい!と、サポートフレームの兄弟分「モッキンフレーム」も誕生しました。
モッキンフレーム開発秘話 – つみきソファ、後ろ姿も美しく。
L字型ソファにしたい!
コーナーパーツの誕生
つみきソファを2台使って壁に沿ってコーナー設置したい!でも、そうなると角の接触部分に隙間が出来てしまいます。
これを解消するために、この隙間にぴったりはまるつみきソファ専用コーナーパーツが開発されます。
頭を置く場所が欲しい!
ヘッドレストの誕生
背もたれが低く、特に高身長の方にとっては背もたれの高さがちょっと足りない!
という声にお応えして誕生したのが「ヘッドレスト」。
背もたれに専用の布をくるっと巻きつけて、上にかまぼこ型のヘッドレストを載せて、マジックテープで固定する仕様です。
足を置く場所が欲しい!
アームクッションL、スツールの誕生
つみきソファと併せて使えるオットマンが欲しい!
という声にお応えして、まずは「アームクッション」のLサイズが誕生しました。SとMは座面の上に置いて肘掛としてご使用いただけます。
高身長の方だとアームクッションLでは足がはみ出てしまう!
という声にお応えし、アームクッションLより一回り大きな「つみきスツール」が誕生しました。ソファから離して置けばスツールとして使えるので、オットマンではなくこの名前で。
汚れを気にせずくつろぎたい!
エプロンカバーの誕生
つみきソファはソファカバーを取り外して洗えるのもいいところですが、カバーにはキルト綿を挟んで縫製する「キルティング加工」が施されているため、洗濯機の使用は非推奨。やさしく手洗いを推奨しています。
この大物を手洗いするには広い場所も十分な時間も必要です。そこで、汚れても気軽に洗えるようにつみきソファ専用のオーバーカバー「エプロンカバー」が誕生しました。
つみきソファの座面と背もたれにくるっと巻きつけるだけだから脱着簡単。洗濯機の使用もOK。
引っかきに強い「ラムース」という生地で出来ているので、ペットのいるご家庭でも好評です。
座面を高くしたい!
ウッドフレームの誕生
座面を高くしたい、デザインにもっとソファらしさが欲しい、
などの声から、つみきソファを載せて使う専用ウッドフレーム「つみきの木」も誕生しました。
当初は合板を使用する予定でしたが、出来上がった試作品にスタッフ一同わーっと駆け寄ったところ、合板のささくれが刺さりそうになったり、思ってたより高級感が無かったりで素材を変更。
表に見える部分、手に触れる部分は無垢材に変更し、ソファを載せる部分は通気性をよくするためにヒノキのすのこを使用しました。
「ウッドフレーム」では味気ないので、「つみきの木」と命名しました!
「GOOD DESIGN AWARD 2011」に出展!
広がりはじめるつみきソファ
その後「GOOD DESIGN AWARD 2011」に出展したり、TVや雑誌で取り上げられたり、つみきソファお目当てでHAREMのショールームを訪れるお客様が増えてきたり、スタッフ内でも「ホームページのTOP画像はつみきソファかなあ」となってきたり。
つみきソファはいつの間にやら名実ともにHAREMのお店の顔となるソファとして成長していきました。
これからも、よろしくお願いします。
その後、つみきソファはたくさんのお家に迎え入れられていきます。そしてたくさん感想を聞かせていただけるようになりました。
「ソファが低いから小さな子供との暮らしも安心」
「愛犬のヘルニア・予防に座面の低いソファを探していた」
「冬はこたつと併せて使いたい」
「和室に合わせるために」
それらの中には開発時には思いもしなかった需要・使い道も。つみきソファは、私たちにローソファそのものの可能性を教えてくれたソファでもあります。
これからもつみきソファに新しい仲間が誕生するかもしれません。その時はまたどうぞ、可愛がっていただけますと幸いです。