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ライフデザイナーだいごの四方山コラム
四方山コラム
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コラム vol.61
イスラム建築の庭園

 ここ最近建築に関心が高まっているだいごです。

 さて、イスラム建築というと何を思い浮かべますか?昨今はテロや紛争に関する内容がニュースで話題となったためか、そのような暴力的な側面ではないイスラムのイメージが中々世間に伝わらないような気がします。

 また、イスラム建築というと「モスク」といった巨大な礼拝所を想像しがちですが、それよりも実は「庭園」にこそなにかイスラム建築の真髄があるような気がしてならないと、最近感じるようになりました。

 そこで、今回はイスラム建築の庭園についてご紹介します。

 

『イスラムとの出会い』

 はじめから私事で恐縮ですが、一般的な大学生は大学の3回生、4回生になるとゼミをとる必要がありますね。それはゼミの申し込みの時期の事だったでしょうか、僕は家で当時全盛だったプレイステーション2の「ファイナルファンタジーX」というゲームをやりこんでいました。

 大学が遠かったので最低限の授業だけ受けひたすら家でゲームをしていたら、いつの間にかゼミの申し込みの締め切りの日を過ぎていました。「これはいかん」と学校の教務課へ行ったら「このゼミならまだ枠が残っているよ」と薦められたのはアラビア語のゼミでした。

 当然、アラビア語なんてものは勉強した事がなく、学年最後に行われたアラビア語の試験で見事に単位を落としてしまいました。ゼミは卒業するためにとらなければいけない単位なので、その後は必死です。

 次の年は本当によく勉強しました。一日5時間毎日勉強していたのではないでしょうか。アラビア語でおはようございますのことを「アッサラームアライクム」と教えられましたが、そんな言葉をブツブツ呪文のように唱えながらアラビア語を写経している様は今考えるとクレイジーそのものですね。

 そう、これが私とイスラムとの初めての出会いだったのです。

『イスラム建築の庭園』

 さて、本題となるイスラム建築の庭園ですが、一体どのようなものなのでしょうか。

 キーワードとなるのは「緑と水」です。壁に囲まれた空間の中に様々な木が生い茂り、花が咲き乱れ、水がサラサラと流れ続ける。わかりやすくいえばこのようなものでしょう。

 水の多い日本にも庭園はありますが、降水量が日本よりも少ないイスラムの国では水はとても貴重な資源です。そのため、庭園に設営される水路にも工夫が凝らされています。一番特徴的なことといえば、水路の形が矩形(くけい)となっており、水を無駄にしないように水路を全て直線で引くという試みがなされていることでしょうか。

 またそこに植えられている木も日本とは異なります。基本的にはイスラムの聖典である「コーラン」に基づいたコンセプトであるため、「神の与えた果実」という節によるようにザクロのような実を結ぶ木を主に植樹しています。

 そして、この楽園のような庭園に集まった人々はそこで歌って踊ってお酒を飲んでと、おおよそ日本のお花見のような事をして楽しむようです。

『イスラム庭園とその死生観』

 さて、このイスラム庭園について触れるにあたり欠かすことができないのは、イスラムの「死生観」ではないでしょうか。イスラムの聖書でもあるコーランに書かれている内容が彼らの行動原理であり、それが死生観を構成しているともいえるのです。

 日本に広く伝わる仏教の原型となったヒンドゥー教などは「輪廻転生」といった生まれ変わりを死後の世界として捉えていますが、イスラム教の場合には死後、最後の審判というイベントがありそこで現世の行いを裁かれ「天国」か「地獄」へ行くかが決まるとされています。

 ここで、天国行きが決定した後に待っているものというのが「庭園」または「楽園」であり、そこには木々が生い茂り、水がサラサラと流れ、あらゆる種類の果物がなり面白おかしく暮らす事ができるといわれており、いうなれば死後の世界の「天国」を再現したものがこの庭園であるのです。

 立派な庭園を建設するのはやはり日本でもイスラムでも権力者であることはなぜか共通しています。彼らは自分が作った楽園の中で一体何を思うのでしょうか。そして、楽園に対する憧れというのは文化宗教問わず人間に備わった共通の願望であるのかもしれません。

 そういえば昔、光GENJIというアイドルグループもパラダイスについて歌っていましたね。しゃかりきコロンブスの意味が未だに分かりませんが作詞をしたのがチャゲアスの飛鳥涼だということを知って、なぜか納得してしまいました。

編集者のつっこみ

編集者のつっこみ

人間たちの「ボクが考えた天国!」が庭園なんですね。私も緑豊かで合間に水がサラサラと流れる庭園でまったりザクロ食べて面白おかしく過ごしたい。

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