コラム vol.58
食育。飽食なのに栄養失調?
「食育?そんなものは知らない。毎日きっちり食べているはずだ」
現代は飽食の時代と言われているからか、普段の食生活で栄養が充分とれているように思われがちです。しかし、もしかしたら違うかもしれないとしたらあなたはどうしますか?
『食育って知っていますか?』
食育とはシンプルに言えば「食事に対する教育」となるのですが、ただそれは食事という分野に限定されずに「栄養学」「心構え」「どうやって食事というものはできたのか」などを包括的に捉えた学問として認識するのが正しいようです。
学校教育で「食育」という授業があった記憶はありませんが、唯一それに近いのは「家庭科」の授業だったのでしょうか。しかし、それも調理実習のような事を少し体験しただけだったような気がします。
全てを学校教育のせいにするわけにはいけませんが、飽食と呼ばれる現代でも栄養失調のような症状を体験した事がありました。
『一日二食なのか三食なのか』
一時期、一日に食べる食事は「三食」なのか「二食」なのかという議論を良く耳にする事がありました。学校教育では「三食」と教えられていた気がしますが、「二食派」の人の言い分では「現代人は食べ過ぎだ。人類の歴史のほとんどは飢餓状態で、今が異常だ。江戸時代の人は一日二食でも重労働に従事してなんとかなっていた」という事でした。
それを聞いたときに、たしかに「ダイエット」という言葉があるという事は、つまりは必要以上に食べ過ぎている事が原因な訳で、現代人はもしかしたら食べ過ぎなのかもしれないと「二食」を心がけるようになりました。
恐らくそれは今でも間違ってはいないと思ってはいます。ただ、食べる内容が悪かったのか昼は外食で定食、夜は酒場でビールとアテ数品という事を繰り返していたら、ある日明らかに体調が悪くなっているのがわかりました。
『カロリー過剰の食事』
しかし、じゃあ見た目が「餓鬼」のようにやせ細ってガリガリになっているのかというと、そういう訳ではなくお腹がビール腹になっていて外見上はそんなにやせ細っている訳ではありません。
では、何が足りなかったのかと自己分析したところ、タンパク質、ミネラル、ビタミンといった本当に食事から摂取しないといけない栄養が全くとれていなかったのではないかと思いました。
外食を続けていると、白米、パンと言った炭水化物に、揚げ物といったおかずによって必要なカロリーは充分にとれるのですが、その他の必要栄養素が全くとれません。食品加工の段階で必要な栄養素が全て落とされているなど色々な噂を聞きますが、これではなんのためにお金を出して食べているのかよくわかりませんね。
この事実はとても衝撃的でした。そして、今ではマルチビタミンのサプリメントを購入しようかどうかすごく迷っています。こういう薬によって補おうとする安易な選択をする僕のような人間を生み出さないためにも「食育」というのはとても大事な事ではないでしょうか。