コラム vol.21
バブル期の象徴「マハラジャ」大阪梅田に行ってみました。
マハラジャというディスコが、かつて80年代のいわゆる「バブル」と呼ばれた時期に存在した事をご存知でしょうか?
その、マハラジャというディスコが2014年4月に大阪に復活したというニュースを耳にした私は、幼少期に経験したタクシー一台乗るのに1時間待ちという凄まじい熱気を再び見られるのではないかと、早速潜入してみました。
『MAHARAJA』
大阪梅田の東通商店街の一角に「MAHARAJA」とぼんやり光るネオンサイン。
入り口には長身のダンディなジェントルメン(?)らしき人が立っており、中へと人々を誘っていました。
エントランスチャージは3,000円で2ドリンク付くととてもリーズナブルなお値段で、全盛期の80年代であれば「ドレスコード」と呼ばれる衣装チェックがあって、私のような風体悪しきものは入る事の許されない神聖な場所だったようです。
中にはコインロッカーが設置されており、荷物がある方は300円で利用できるなど、ここでも利用者に優しい配慮が見られました。
そして、ドリンクチケットと交換したハイネケンの瓶ビールを片手に、いざ熱気あふれるフロアへと向かいます。
『レーザービームとお立ち台』
レーザービームとスモーク、そして象徴となる「お立ち台」の上では、あのテレビの再現映像で何十回と見た「扇子」を片手に体を揺らすたくさんのレディ達の姿がありました。
かつて80年代にブイブイいわせていた、いわゆる「ワンレン」「ボディコン」に象徴されるギャル達が、数十年の時を経て再びそこに並ぶ光景はとても圧巻です。
利用者は全体的に年齢層が高く、「クラブ」では若すぎて遊べない「大人」が集う新しいタイプの社交場といったコンセプトなのではないでしょうか。
『アースウィンド&ファイアー』
流れる曲も、かつての伝説的グループ「アースウィンド&ファイアー」の「セプテンバー」のリミックスや、「TRF」の「サバイバルダンス」などの-POPまでテレビやCMで聞いたことのある懐メロがメインで流れるので、ノリやすく一見の私でも結構すぐその場の雰囲気になじめました。
また、「ディスコ」が「クラブ」と何が違うのかという事に長年疑問を感じていましたが、「ディスコ」には「チークタイム」というものがあり、時折ムーディーな曲が流れて男女ペアで「チークダンス」を踊る時間がもうけられているようです。
そして、激しいノリの曲が流れている時には時折DJが「次の曲は、あべべべべ」とよく聞き取れないMCを挟んだりするのが特徴的です。
例えるなら、パチンコ屋さんでお店の人が「200番台スタートです」と当たり台についてナレーションをする感じに似ていたような気がします。
『チルアウト』
爆音が流れる店内で実はそこまで人混みが得意では無い私は、次第に翼の折れたエンジェル状態になってきたので休める場所を探していました。
すると、お店の一角に「ソファ」がたくさん並んだチルアウトスペースを発見しました。
そこには、合成皮革が貼ってある黒い「ソファ」で構成されたボックススペースがあり、踊り疲れた淑女がダランとしていたり、たくさんの男女のグループが話に花を咲かせているようでした。
最近気がついた事として、いろんなパーティに参加すると常に「ソファ」がどこかしらに設置してあり、踊り疲れた人、またあまり場の空気に馴染めない人といった方々の避難場所として機能しているという事です。
実際に今回も僕はマハラジャでソファのお世話になった事から、パーティーシーンにおいてソファというのは切っても切り離せないものであると感じました。
『つまりは自由』
昔一世風靡した世代の人も、年齢を重ね「仕事」「家庭」といったものに段々束縛されていく中、こういった「大人の社交場」でつかの間の自由を取り戻す事ができるのはとても素晴らしいことではないでしょうか。
数年前に「バブルでGo」という広末涼子が出演していたバブル期へタイムスリップする映画がありましたが、現代において「バブル」の空気を少し体験できるという意味では「マハラジャ」はこれ以上ない場所ではないでしょうか。
バブル期に青春を謳歌した人と話すと、とてもエネルギッシュな方がたくさんいらっしゃいますが、その理由が少しわかったような気がした一日でした。
十年後私の世代はどういった遊び方をするのか気になるところです。
M
A
H
A
R
A
J
A 梅田は2018年7月28日に営業終了で移転するそうです・・・
あっでもついでにローソファーも見て行って下さい
もちろんSaturday Night Fever以外の映画鑑賞にも使えます!!
編集者のつっこみ
屋上のフロアでは、向かいのビルの壁面にプロジェクターで「パトロン」のPVを照射するなど、おしゃれーな空間が広がっていました。 ボクはカウンター席のほうが好きです。