家の一生は他の物に比べてずっと長い。家を建てた人より長い、こともある。
親から子へ、子から孫へ、少しずつ手をかけながら、時には大規模に改築したりしながら受け継がれていく。だからきっと「家族」や「家系」のような脈々と続くものに「家」という文字が入るのだろう。そんな長く良い関係を保つには、家と住人が互いに思い合えていることが必要となる。ずっと好きでいられる家って、どんな家だろう。
と、考えさせてくれたのが大阪狭山市で工務店を経営されている中瀬古さんのお話。今回は中瀬古さんのご自宅兼自社のモデルハウスにおじゃまします。
今回登場するローソファ:アルバソファ
無垢材のウッドフレームで、落ち着いたお部屋づくりにぴったり。国内老舗工場の匠な技術が生んだ、深みとコクのある高級ローソファー。
【サイズ】1940mm / 【生地】Fランク:カプリス:ミッドナイト / 【木材】ウォールナット
アルバソファ 詳細ページ
いい歳のとり方をする家
“日美の家(ひびのいえ)”という名前が付けられたこの家。ここは中瀬古さんご家族にとっての生活の場所であり、経営する工務店の名刺ともなる場所です。見える部分はもちろん、見えない部分にも無数にこだわりが詰め込まれているはず。ひとつひとつ、お話を聞かせていただきます。
「まず、長持ちする家をつくること。地震などの災害で損傷しにくいだけではなく、50年、100年経ってもいいと思える家をつくる。そのために、あまりメンテナンスをかけずともいい歳の取り方ができるように考えて設計しています。大きい部分でいえば、外壁の塗装。壁が雨で濡れにくいように軒をつくったり、船着場に使う水に強い木材を使用したり。」
初見から印象的だった玄関先の大きな軒も、雨が降れば、日が照れば、しっかりと自分の仕事を果たす。あまり手をかけずとも美しい状態を保ってくれるなんて、家にとっても住人にとっても嬉しいですね。
木にこだわって、木のソファを。
そして、リビングにおじゃますると一面に広がる、木、木、木!
建材に始まり、ダイニングセットだってもちろん、宙に浮かぶ12面体のスピーカーまで。そういえばアルバソファも木枠のソファ。頂いたパンフレットには「木づかい、気づかい」。このコピーにはどんな思いが込められているのでしょう。
「私たちには『商いは人のためにする』という企業理念があります。今、日本の木は50~60年かけて育って収穫の時期を迎えているんですが、輸入木材の方が安く日本の林業は衰退している状態。国産の木材を積極的に使うことで少しでも社会貢献が出来ればと考えています。」
それでは、そろそろソファの話を。
HAREMに二度ご来店いただき、じっくり検討してお買い上げいただいたこのアルバソファ。それ以前にも他のインテリアショップを回って探していたとのことですが、このソファに決めた理由とは?
「先にソファを置く場所が決まっていて、そこに似合うソファは何だろう?と、部屋のイメージありきでソファを探しました。」
「このソファの決め手となったのは、やっぱり見た目!フォルムがいい!あとはやっぱり、木を使っていること。生地のカラーは薪ストーブの所のタイルに合わせて選びました。前に畳スペースがあって、和風か洋風かわからない部屋になってしまったけれど(笑)。」
いやいや、それがいいんです。ちなみにこの小上がりの畳、9つのブロックを集めておいているだけなので用途によって形を変えたり、冬は真ん中を抜いて、床暖房で掘りごたつになるのだそう。
長く在るために、形を変える。
「今の3人家族にこの家は広すぎる。でもゆくゆくは子供に受け継いで欲しいと思っているから、いつか家族構成が変わるかもしれない。家は長く続くものという前提で、その時住む人が住みやすいように「可変性」を意識してこの家を作りました。」
「例えば、吹き抜け部分は3日あれば個室に作り変えられるよう梁(はり)を予め通しておいたり、それを加味して窓を配置したり。先を見据えて設計されています。」
中瀬古さんからお話を伺う中で感じるのは、質問に対して頭からバチッと完璧に決まった言葉が返ってくること。それだけ常日頃からコンセプトや考えてお仕事されているだなというのが、ひしひしと伝わってきます。お仕事の話の際に、「お客様の感性を読むのが本当に難しいけど、本当に大事」と繰り返しおっしゃっていたのが印象的でした。
“日美の家”は大阪狭山市にあります。お近くにお越しの際はぜひ覗いてみて、アルバソファにも座ってみてくださいね!ここでマイホームの夢が膨らんだら、そのままプロに相談もできますよ。
(文:水嶋 美和 / 取材:阿部 凌平 / 写真:中瀬古工務店)