ライフデザイナーだいごの四方山コラム
四方山コラム
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コラム vol.54
2015年大阪最後の花見日和な4月2日

桜

 例年この時期になると決まって話題になるのが「お花見」ですが、今年はなかなか週末お天気に恵まれずこのタイミングを逃してしまった方もいらっしゃったのではないでしょうか?そんな私も基本平日は拘束される事が多いのでどうしようか思い悩んでいたところでしたが、お誘いがあったので思い切って予定を開けて大阪でお花見に参加しました。

 お花見もさる事ながら、そこへの道中色々な発見があったのでせっかくなのでご紹介したいと思います。

『大阪天王寺駅から路面電車に揺られ。。』

天王寺

 今回指定の場所へ向かう際に、「天王寺から路面電車に乗ること」という指令を受け向かったのは大阪人なら誰もが知る有名な天王寺駅です。以前のコラム"大阪市立美術館の「こども展」というイベント。さあ、美術館へ行こう。"でもご紹介した「天王寺動物園」「大阪市立美術館」などで有名なあの天王寺です。

 別名「ちんちん電車」と呼ばれるこの路面電車、旧南海ホークスで有名な南海電気鉄道の子会社である、「阪堺電気軌道」が運営している広島、鹿児島などに並ぶ大阪を代表する路面電車です。駅で道に迷った際に「ちんちん電車に乗るにはどうしたらいいですか?」と道端を行く人に尋ねたら、危ない人がいるという感じでスルーされたので、乗り場を尋ねる時は「路面電車はどこですか?」とお尋ねする事をおすすめします。

 行き方をざっと説明すると、一旦地下へ降りて11番出口を目指してひたすら歩いたらものの5分程度で到着します。

 そして、ついに乗場へ。

『ちんというからちんちん電車』

ちんちん電車

 この路面電車に乗られる際に気をつけていただきたいのが、途中分岐をして二方向へ別れてしまう事です。初めて乗られる方は予め駅員さんに行き先を告げて正しい電車はどれか聞いておく事をおすすめします。

 平日というのに社内は結構混み合っていました。そういえば途中スーツ姿の若者の姿を街中で大量に見かけましたが恐らくこの日は入社日と重なっていたからでしょうか。

 一両編成の社内は電車というか、どちらかというとバスという感じがしました。暗黙の了解があるのか乗客の人は皆前の席から詰めていたので、それに従って前の席へ。乗車率が結構高く子供やお年寄りの方が多くほのぼのとしています。

 何駅か過ぎて気がついたのは、バスでいうところの「次降りますボタン」を誰かが押すと「チン」とベルがなるので、ああもしやこれがちんちん電車の名前の由来かと勝手に納得しました。

 昔は車道を走る際にちんちんと音を鳴らしていたそうですが、今回はそれを拝見する事ができず残念な感じでした。

『そしてついに花見会場である「高須神社」へ』

 一駅前の大和川の太陽に反射したキラキラした水面が目の前を通り過ぎると、ついに目的地である高須神社へと到着しました。

 とてもこじんまりとした駅のホームと目の前に佇む赤い鳥居が象徴的な駅の名前の由来となった高須神社。高須といえば、個人的にはダウンタウンお抱えの放送作家である高須光聖と松ちゃんのラジオを良く聞いていたという記憶しかありません。

 さて、肝心の桜はどうだったかといえばこれがまたいい色模様の花があちこちに咲き乱れており、心地よい風と相まってとても心地の良いものでした。日頃パソコンの人工的な色彩に触れる機会が多い現代人であるため、自然の色彩の素晴らしさというものをこういう時に改めて実感する事ができます。

『鉄砲屋敷と堺市』

 さて、余談ですが今回訪れた場所は大阪は堺市です。堺といえば現在は政令指定都市として有名で、隣接する大阪市とは犬猿の仲という噂もあるくらい歴史のある街です。そして、堺を代表するものとして刀や包丁の製造とその技術を応用した鉄砲作りが有名なのではないでしょうか。

 高須神社周辺をブラブラしていると、「鉄砲屋敷」と呼ばれる戦国時代に鉄砲の生産を生業にしていた屋敷跡がありました。堺の産業というのは、元々はタバコを刻む包丁からスタートし、その技術を応用して刀や外国から伝わった鉄砲などを改良していく事で発展していったという事です。

 日本の製造業が戦後飛躍的に発展していった要因として、「既存の技術の徹底した改良」があったわけですが、そう考えるともしかしたら堺市には日本の成長の秘密が隠されているような気もします。やはり、歴史的な遺産というものは後世の人間に様々なヒントを残すので、保護活動というのは重要な事ですね。

 結果として今回は天王寺からちんちん電車に揺られお花見をするという粋な試みとなりましたが、堺の文化に興味がある方も含め是非一度お試しされてはいかがでしょうか?